がん友(MYさんの場合)~抗がん剤と麻薬の終了

 結局、MYさんの抗がん剤治療は2コースが予定されたが、1コースと半分を行ったところで中止された。ステロイド剤による副作用の糖尿病が悪化したことと、白血球が減ったまま元に戻らなかったためである。 

 また、痛みがかなり軽くなってきたことも止めることになった理由のひとつである。MYさんは、痛みが取れれば、それでよかった。主治医からの抗がん剤を止めるという言葉は、迷うことなく受け入れた。

 その後、痛みがさらに消えて行き、貼り薬の麻薬も徐々に減らされた。最終的にオピオイド剤をまったく使わなくても痛みを感じることはなくなった。ただし、腕のマヒとむくみはよくならなかった。

 オピオイド剤などの麻薬に対する偏見はまだ強い。麻薬はステロイド剤以上のこわい薬だと思う人が多い。つまり、依存症になって止められなくなり、結局、その麻薬のために体が壊されてしまうと思ってしまう。

 MYさんもそう思っていたことは、先述した。麻薬イコール中毒、つまり人格破壊と感じたのだった。だから、痛みを取るために麻薬を使うと言われた時、MYさんは断るしかなかった。

 通常の生活の中では、麻薬に対してそのような考えを持ち、麻薬に近づかないようにするのは正しい。

 しかし、がんの痛みのような他の薬剤ではまったく効果のない強い痛みに対しては、モルヒネのような強い麻薬であっても、それを使うことによって依存症になることはないとされている。

 実際に、MYさんの場合も、まったくその通りだった。

 貼り薬は最も強力な麻薬である。MYさんの痛みは、それでなんとか抑えるしかないような強い痛みだったが、放射線治療や抗がん剤の治療によってがんが小さくなるとともに痛みも軽減して、麻薬を減らすことができ、最終的には止めることができた。

 MYさんが依存症になることはなかったのである。

 現在では、がんの痛みだけでなく、強い腰痛症などでも麻薬が使えるようになった。安心してもっと麻薬を使うべきである。痛みをがまんする必要はない。

 ただ、麻薬には特有の副作用がある。吐き気と便秘である。しかし、これらの副作用は、それらを抑えるための薬で消し去ることができる。前もってそれらの副作用を抑えるための薬を飲んでおくことによって、吐き気や便秘を起こさずに済むのである。

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