サルビアの会12年10月家族会

 やはり今回も、最初はCBさんが口火を切りました。CBさんのご主人は、7月末に肝臓の転移巣と一緒に直腸がんの手術をしたばかりです。

「主人は楽天的過ぎるんです。あの大手術の後、夫は苦しくて手術なんか受けるんじゃなかったって言ってたくせに、主治医から転移も全部取りきれたと言われたら、もう治ったって言うんです」

 CBさんは続けます。

「この3日、初めて主治医から説明があったんです。手術の後ずっと説明して欲しいって言ってたんですが、なしのつぶてでした。それが、初めて説明してもらえました」

「主治医は、腸のほうもリンパ節に転移がなかったし、肝臓の転移も抗がん剤が効いて、小さくなっていて、しかも7つあった転移は全部肝臓の表面近くにあったので、完全に取りきれたって言うんです」

「でも、私は主人みたいに簡単には信じないですよ。転移のあるがんは治らないというのが常識でしょう?必ず再発して来ますよ」

「大体、手術の話自体おかしいんじゃないですか?手術は11時間もかかったんですが、転移が肝臓の表面近くにあったんなら、11時間もかからずに済んだんじゃないかって、私は思っちゃうんですよ」

 少し遅れて入って来たTHさんがこれを聞いて、CBさんに訊ねました。THさんは、奥さんを1年半前にすい臓がんで亡くしています。

「で、手術の後、ご主人、今は元気になったんですか?」

 CBさんは答えました。

「ずいぶん苦しんだんですが、なんとか元気になりました。自分で車を運転して、大学病院まで行けるようになったんです」

 THさんは続けて言います。

「じゃあ、なにも心配する必要はないじゃないですか?私の妻は、手術できるかもしれないって言われたのに、本人が手術はしないって言って抗がん剤治療を受けたんです」

「でも、すい臓がんと診断されてからたった5ヶ月、一旦治療を終えて退院してから1カ月で死んじゃいましたからね」

「最期は話をすることもできませんでした。妻の場合は手術して1年も生きられれば手術は大成功だったって、私は思ってるんですよ。」

「それを、本人が『手術の後、そのまま退院できないようなことになるのはいや』と言って、受けなかった。それが今でも心残りなんです」

 がん患者の経過は一人ひとり違うために、その家族の思いは同じものばかりとは限りません。

*このブログが「がんになって分かったこと」(文芸社)という本になっています。読んでみてください。

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