家族の絆(TNさんの場合)~治療直後のリンパ節転移

 この治療を終えて退院となったが、やはりTNさんの気持ちは晴れなかった。

「抗がん剤治療も手術も放射線治療も、何もかも私のがんには効果がなかった。ということは、今度の治療もまったく無駄に終わるかもしれない」

 TNさんは、今までのことを思い返すと、そう考えるしかなかった。

 そうして、手術のきずと放射線治療の名残りがまだ生々しい左の首の付け根を何気なく触っていると、手術のきずの下に何かしら固いものを触れる感じがした。

 もしかして、これがリンパ節の転移かと思ったTNさんは、すぐに再び緊急で主治医の外来受診予約を取った。

 すぐに外来でCT写真が撮られた。

 その写真を見ながら、主治医は言った。

「TNさん、首の付け根のリンパ節が腫れています。残念ながら、リンパ節の転移です。退院したばかりですが、また治療が必要です」

 TNさんはもう入院はしたくないと思って言った。

「先生、だいぶ入院生活が続きましたから、その治療は外来通院で受けるようにはできませんか?」

 主治医は答えた。

「そうですね。大丈夫でしょう。外来通院で放射線治療をやるように手配してみましょう」

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