家族の絆(TNさんの場合)~次女のうつ病

 今度は次女が病院へ行くことになった。

 睡眠外来での診察は、それほど時間がかからなかった。そして、その診察の結果はTNさんに話された。

「眠れないのはうつ病のためだと思います。幸いそれほどひどい状態ではありませんから、抗うつ剤と睡眠剤を飲みながら通院で様子を見ましょう。娘さんご本人には、2種類の睡眠剤を飲んでもらいながら様子を見ると話しました」

 TNさんは納得したが、同時にやはりショックを隠せなかった。自分が病気をしたために、次女がかなり精神的な負担を感じていたのがはっきりしたからだった。

 今までは自分のことを考えるだけだった。いや、そう考えることが家族のためでもあると思っていた。なんとしてでも生きて行かなければならない、まだ死ぬわけには行かない、と。

 しかし、それ以上の心の負担を次女が抱え続けていた。そしてTNさんが入院すると、一人きりでいるしかない次女は、それに耐えられなくなったのだ。TNさんは、もう二度と入院はしないと決めた。このままずっと次女と一緒にいよう、と。

 TNさんは、穏やかな顔で次女に言った。

「薬を飲めば大丈夫だっていうから、大したことなくてよかったわね。私も元気になったしね」

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