家族の絆(TNさんの場合)~首のしこりの再発

 ところが、そうしているうちに、TNさんはのどの通りが悪くなってきたのに気づいた。少し固いものを食べるとのどにひっかかる。そして、首の付け根の奥にあるしこりが再び大きくなってきたように思えた。

 再発かと思ったTNさんは、次女に内緒で主治医の外来を受診した。

 診察を終えた主治医は言った。

「TNさん、放射線治療をしたリンパ節転移が治りきっていなかったようです。再発です。放射線治療はもう目いっぱいやっていますから、残る治療は抗がん剤だけです。どうしますか?もう一度入院してやってみましょうか?」

 TNさんは、やはり再発かと納得し、同時に入院はしたくないと考えて、すぐに答えた。

「いえ、もう抗がん剤の治療は結構です。再発ということが分かればそれでいいです」

 TNさんは続けた。

「それで、これからどんな風になるんでしょうか?」

 主治医は少し考えてから答えた。

「そうですね。だんだん食べたものが通らなくなって行きます。そして、痛みが強くなってくるかもしれない」

※このブログ(「KWさんの場合」まで)が本になりました。「がんになって分かったこと」(副題「さまざまながんの素顔と元気な患者たち」 )という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

"家族の絆(TNさんの場合)~首のしこりの再発" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント