治療させてもらえなかった乳がん(SIさんの場合)~これからが本当の治療

 SIさんは、まだおぼろげにしか自分の死を考えたことはない。主治医からも、「まだ死ぬことはない」と言われている。

 どうしようもなく赤く腫れあがった乳房が、ホルモン剤でほとんど元にもどった。乳房の下の皮膚に赤みが残り、そこに痛みをときどき感じる程度だ。それはこれから行われる放射線治療に期待してみようと思う。

 夫は、その後自分の実家に戻り、退職金を自由に使って好きな生活を楽しんでいるようだと聞く。SIさんは、その夫にはいまさらなにを言っても通じないことが分かっている。

 SIさんにとって、その夫が目の前にいないだけでいい。夫に気兼ねなく、これから自分で好きなように治療を受けて行こうと考えている。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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