がんとの長いつきあい(KGさんの場合)~ホルモン療法の開始

 手術後のPSAが下がらないことに対して、主治医は言った。

「手術をして前立腺はきれいになくなっているわけだから、PSAが減らないのは、やはりどこかに前立腺がんの転移があると考えるのが妥当だろう」

 主治医は続けた。

「とすれば、それを放って置くのは危険だ。やはり、なにか治療をすべきだろう。効果があって副作用の少ないホルモン療法がいいと思う」

 KGさんは、あらためて主治医に聞いた。

「実際、少ないと言ってもホルモン剤の副作用はどんなものなんですか?」

 主治医は答えた。

「もちろん、個人差はあるが、女性の更年期症状のようなものがほとんどと考えていい。つまり、顔がほてるとか、のぼせなど。食欲が落ちたり、下痢や便秘などのおなかの症状が出ることもある。でも、ひどい副作用はないよ」

 KGさんは、ホルモン治療を受けることにした。

「そうですか。分かりました。ホルモン治療を受けることにします。で、どんな風に治療するんですか?」

 主治医は答えた。

「月に一回注射をして、飲み薬を毎日飲んでもらう。このやり方もそんなに負担になるものではないと思うよ」

 こうして、KGさんのホルモン治療が始まった。このホルモンは女性ホルモンなので、その最大の副作用は、女性化することである。もちろん性欲は減退する。しかし、この治療が始まっても、間もなく70歳を迎えるKGさんには特段の変化は起こらなかった。

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