もう一度歩きたい(KKさんの場合)~膀胱と尿管のふたつのがん

 KKさんの場合は、膀胱と尿管に同時にがんができていた。

 臓器名は違うが、尿管と膀胱は同じ働きの臓器と考えていい。つまり、腎臓からこし出された尿を、尿管が膀胱まで運び、膀胱はそれを排泄されるまで蓄える。いづれにしても尿管と膀胱は尿の通り道である。

 したがって、その表面をおおう細胞はいずれも同じ移行上皮細胞と呼ばれる。だから、尿管と膀胱にできるがんは、同じ移行上皮がんと言われるがんだ。

 ただし、膀胱がんと尿管がんが一緒にできるひとは、そんなに多くはない。だから、通常は膀胱がんが見つかった場合に、必ず尿管がんの検査をするわけではない。

 しかし、KKさんの場合は、右の腎臓に異常がありそうだという医師がいた。したがって、腎臓と尿管の検査を行うことが望まれる状態だった。結果的に見ると、膀胱がんも早期のがんだったので血尿を起こすほどではなかった。

 だからなおさら、尿管の検査を行うことは必要だった。ただし、最初に膀胱がんが見つかった。だから、すぐにその治療が行われ、それ以上の検査が行われることはなかった。

 これは、何度も言うように、ひとつのがんが見つかればそれで終わりとなるのが通常のがんの医療だからなのである。これがKKさんの不幸と言うしかない。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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