もう一度歩きたい(KKさんの場合)~緩和ケアの提案

 退院後、月に1回の外来診察と自分で行うリハビリを続けた。しかし、思うような改善は得られなかった。

 一方、診察の結果も、とくに変わりはないとのことだった。そして、数か月後の診察の時、KKさんは主治医から意外な言葉を聞いた。

「あなたの街に緩和ケア病棟のある病院があるのをご存知ですか?今、あなたに必要なのは、その緩和ケアだと思います。そこに手紙を書きますから、これからはそちらで見てもらいましょう」

 KKさんは、困惑した。

「先生、見放さないでください。私は、ここに来ますよ」

 しかし、主治医は続けてはっきり言った。

「今、あなたに必要なのは、痛みの治療とリハビリです。そのためだけに、ここに来る必要はないと思います。それは、家の近くの緩和ケア科でやってもらえます」

 さらに主治医は続けた。

「とにかく手紙を書いておきます。もし、あなたがその緩和ケアの先生に見てもらう気になったら、その時に持って行けばいいと思います」

 KKさんは「その必要はない」と思いながらも、その手紙をもらって帰った。

※このブログが本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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