家族の絆(TNさんの場合)~大学病院へ

 手術をするかどうか、あるいは手術に合わせて抗がん剤や放射線治療を行うかどうかなど、問題の多いTNさんの食道がんの治療は、大学病院で行われることになった。

 TNさんは、どうしようか迷った。そして、私のがん相談を訪れた。

「食道がんの精密検査が受けられなかったんです。MRIとPET検査です。ですから、『正確には分からないが、食道の周りのリンパ節が腫れているのは転移だろう』ということで、大学病院で抗がん剤の治療を行うということになったんです。どうでしょうか?」

 私は答えた。

「それでいいと思います。MRIとPET検査ではっきりしなくても転移だったということもあります。ですから、CTでリンパ節が腫れていて転移が疑われるとすれば、残念ながらそれだけで十分に転移と考えて治療すべきと思います」

「とすると、初めから手術をやるというのは危険です。抗がん剤の治療を受けるのが私もいいと思います」

 TNさんはいった。

「そうですか。それなら、大学病院に行ってみることにします。ただ、どんな先生が診てくれるのか分かりません。診てくれる先生との相性も大事ですから、先生の最初の印象でそのまま診てもらうかどうか決めることにしようと思います」

※このブログ(「KWさんの場合」まで)が本になりました。「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」という書名で、文芸社からの出版です。ネット販売もしています。

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