サルビアの会13年1月家族会(その1)

 大腸がんでご主人を亡くしたKNさんが、入ってくるなり「先日はありがとうございました。コロッと変わりました」と言います。

 じつは娘さんの60歳になるご主人が、悪性リンパ腫だという。たまたま人間ドックで脾臓にしこりが見つかり、精密検査の結果そのように診断されたとのことです。

 脾臓以外には異常はないので、診断を確定することを兼ねて脾臓を取る手術を勧められたとのこと。ご本人は仕方ないと落ち着いているが、娘さんがパニック状態で、KNさんがなにを言っても受け付けないと。

 そしてKNさんは、私に「どうしたらいいか」と相談に見えたのでした。私は「娘さんたちご夫婦で外来に来てくれればいい」と答え、その日の午後にはお二人が診察室に見えました。

 話をくわしく聞くと、やはり病巣は脾臓にしか見つかっておらず、とにかく脾臓を取って確かめるのが最善と考えられる状態と思いましたので、お二人、とくにKNさんの娘さんに言いました。

「これはドックを受けてよかったと考えるべきです。悪性リンパ腫は、ほかのがんと違って薬が効きやすいので、多少病気が広がっていても治る可能性があります」

「ご主人の場合は、脾臓にしか病巣はないようです。ということは、それを取ってしまえば、それで完全に治る可能性があります。それに手術は簡単です」

「もちろん、念のため手術の後に抗がん剤治療をやったほうがいいということになる可能性はあります。 でも、とにかく早期のリンパ腫と考えていいと思います。少し体を休めるつもりで治療を受ければいいと思います」

 このように話したのを聞き、KNさんの娘さんは安心したということです。悪性と言われたり、手術で出血する可能性があるなどと言われ、もう先がないと思ってしまったということでした。

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