どうして私が胃がんに?(UEさんの場合)~病理とCT検査の結果

 内視鏡検査の時につまみ取ったUEさんの胃の一部は、病理検査にまわされた。この検査で、病気の本態が確認できる。がんかどうかの確認をするのである。

 UEさんの検査結果は、胃がん、それも最も悪性のスキルス胃がんだった。

 スキルス胃がんというのは、通常の胃がんがかたまりをつくり、こぶのように大きくなり、そのてっぺんが胃潰瘍のように欠けてへこんだりするのに対して、かたまりをつくらずに胃の粘膜上をはうように広がる。

 出血のような症状もなにもなく育つ。だから、見つかった時にはかなり広範囲に拡大してしまっていることが多い。

 UEさんが心配した通りの状態になっていた。UEさんの胃の出口3分の1をがんが占めていた。そして、そのがんが広がっていて胃の出口全体を狭くする最悪の状態になっていた。

 検査の結果を聞くために来たUEさんとご主人を前にして担当医は言った。

「UEさん、検査結果は胃がんでした。少し大きくなった状態のようです。しかも、CT写真を見ると、腹水が貯まっているのが見えます。つまり、胃がんが腹膜にまで広がっているようです」

「この状態では手術は意味がありません。抗がん剤を使った治療を行うかどうかです。どうしましょうか?」

 UEさんは最も恐れていた結果を聞くことになった。しかし、UEさんにとっては想定内のことだった。

「先生、ということは手遅れですか?」

 担当医は言った。

「手遅れではないです。抗がん剤治療でよくなる可能性はあります。ですから、それを試してみる価値はあります」

 それを聞いてUEさんはすぐに答えた。

「先生、抗がん剤治療をすぐにお願いします」

 UEさんのご主人も言った。

「そうだね、それで頑張るしかないね」

*このブログが「がんになって分かったこと~さまざまながん素顔と元気な患者たち」(文芸社)という本になっています。読んでみてください。

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