どうして私が胃がんに?(UEさんの場合)~訪問看護師の思いやり

 訪問看護師は週3回来ることになった。訪問看護のない日の点滴の管理はご主人の当番である。

 ご主人にとって、点滴の取り替えも鼻から入った管から出る排液の管理も、それほど難しいことではなかった。ただ、毎日同じことをくり返しても、なにも変わりはなかった。

 訪問看護の日、訪問看護師はご主人に言った。

「お父さん、少し気を紛らわすために外へお出かけになってはいかがですか?その間は、私が責任を持って見ますから」

 訪問看護師の気遣いだった。それに、訪問看護師にはご主人のいないところでUEさんに聞いておきたいこともあった。

 ご主人が出かけたあと、訪問看護師はUEさんに聞いた。

「このあと、どうしようとお思いですか?このままずっと家でお過ごしになろうと思いますか?」

 UEさんは答えた。

「私は家にいたいと思います。やはり死を意識しないわけにはいきませんが、私は生きていたい。家族のために生きていたいと思うんです」

「病院にいる時には、本当にいつも死ぬことばかりを考えていました。でも、家に戻ってきて強く思ったんです。生きていたいって」

*このブログが「がんになって分かったこと~さまざまながんの素顔と元気な患者たち」(文芸社)という本になっています。読んでみてください。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック