どうして私が胃がんに?(UEさんの場合)~ご主人のストレス

 しかし管を抜いて丸2日経った日の夕方、突然UEさんが気持ち悪いと言い始めた。

「吐きそう。トイレに連れてって」

 と言う間もなく、横になっているベッドのふとんの上に吐いてしまった。黄色の消化液ばかりだったが、ずいぶん大量だった。

 吐いたというご主人からの連絡を受けて、私はすぐにUEさんの家に向かった。家に入ると、UEさんのご主人が汚れたふとんとシーツを片付けている最中だった。UEさんは疲れ切った様子だった。ご主人が言った。

「先生、すみません。だめでした。口から飲み過ぎないように、注意はしていたんですが」

 私は言った。

「仕方ないですよ。たとえ口からなにも飲まなくても、消化液が貯まりますから、胃と腸の中は自然にいっぱいになってくるんです。仕方がないので、今までと反対側の鼻から管を入れ直します。これでまた様子を見ます。いいですか?」

 UEさんが仕方なく了解したので、前に入っていたのと反対側の鼻のあなから管を入れ直し、テープで固定した。管を入れた途端、まだ胃の中に貯まっていた液体が勢いよく出てきた。ご主人も疲れた様子だった。

 その晩、ご主人のお母さんが夕食を作って持ってきた。それを見るなり、ご主人は夕食を抱えたままのお母さんを隣の部屋に連れて行って言った。

「よく考えてくれよ。なにも食べられないあいつの前で、オレが食事を摂れるわけがないだろう。しかも、今、吐いたばかりだよ」

「食事を作ってくれるのはありがたいけど、ここでオレが食べるわけにはいかないよ。自分でなんとかできるから、オレのためにご飯なんか持ってきてくれなくていい!」

 UEさんの耳に、普段とは違うご主人の声が届いた。

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック