(新シリーズ)肝転移のある直腸がん(CBさんの場合)~突然の下血

 CBさん(69歳)は、このところ便の出が悪く、おなかがいつも張っているのが気になっていた。

 そんなある朝、便の出たあとトイレットペーパーにぬめりを感じたので、見るとトイレットペーパーだけでなく、便器の中が真っ赤に染まっていた。

 CBさんは、たまらず近くの病院へ駆け込んだ。1時間も待たされたあと、やっと診察の番が回ってきた。診察室に入るなりCBさんは言った。

「先生、肛門から突然出血したんです」

 すぐに担当の医師はCBさんに聞いた。

「分かりました。痔はありませんか?それに、今まで便が出にくいようなことはなかったですか?」

 CBさんは答えた。

「痔はないと思います。ただ、そういえばこのところずっと便が貯まっているような感じが続いていました」

 担当医はCBさんを診察台に上がるように言い、診察台の上のCBさんのおなかを診ながら言った。

「CBさん、たしかにおなかには便がたまっていますね。つぎに、おしりから肛門の中を見てみます。向こう側を見る横向きに寝なおしてください」

 CBさんは、担当医の言うまま横向きになった。

 担当医は言った。

「では、下着を下げて、両膝を両手でかかえるようにして背中を丸めてください」

 肛門直腸診である。

 この体位で肛門から直腸までの触診と視診を行う。つまり、肛門から指を入れ内部の状態を探ってしこりなどがないかどうかを確認し、つぎに肛門鏡を挿入して出血しているところがあるかどうかなどを直接見る。

 肛門から5センチくらいのところまで見ることができる。

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