サルビアの会5月患者会(その1)

 イスに着くなり、食道がんの治療を終えたTJさんが話し始めました。

「この前の内視鏡検査で胃に新しくがんが見つかったんです。来月、内視鏡で取る手術を受けることになりました」

「超音波内視鏡でがんの広がりの検査をしたんですが、あまり深くに入り込んではいないということなので、内視鏡で取ることになったんです」

 私は言いました。

「それはよかったですね。内視鏡で取れるなら、早期ですね」

 TJさんが言います。

「でも、早く見つかったのはいいんですが、これから先こういう風にあちこちに転移が起こって来るんでしょうか?」

 私はゆっくりと分かりやすいように言いました。

「内視鏡で取れるということは、胃の粘膜の表面にできたものがまだ少ししか粘膜の下に入り込んでいないということです。つまり、早期の胃がんだということです」

「粘膜の表面にがんの転移は起こらないんですよ。転移というのは、がん細胞が血管やリンパ管の中を通って行って起こるものです。粘膜の表面には血管もリンパ管もありません」

「ですから、今度見つかったのは転移ではなくて、新しくできた早期の胃がんだということです。これは、内視鏡で完全に取り切れるものです。転移ではないですから、なにも心配することではないですよ」

 TJさんは「そうですか」と言って、うなずきました。

 私は続けました。

「ただ、胃がんはピロリ菌の感染で起こった慢性胃炎から起こって来ますから、今度の早期がんが治っても、また別のところから新しい胃がんができて来るかもしれません」

「ですから、年に1回の内視鏡検査は絶対に必要です。TJさんの場合は、食道のことがあるので必ず一緒に胃の方も見てもらえるわけですから、その点に関してはまったく心配ないと思います」

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    Excerpt: 毎月第3土曜日は古河市福祉の森診療所でがん患者の会が開かれます。 Weblog: 開業保健師  みんなの“自分らしさ”を大切に racked: 2015-05-17 13:44