サルビアの会10月家族会(その1)

 この日は、午後に当診療所開設20周年記念の市民フォーラムがあり、そこで私が20年を振り返って話をすることになっているので、この家族会で講演の練習を兼ねて、話を聞いてもらうことにしました。

 20年前、私はそれまで勤めていた筑波大学をやめて、当診療所へ赴任しました。20年間の胸部外科医をやめて、ここに来たのです。それには、理由がありました。

 私の専門は肺がんの早期発見と外科治療でした。なかなか肺がんは治せません。

 多くの人が、大学病院を訪れて、ここに来れば治してもらえると信じて治療を受け、しかし結局、そのまま命を落とさざるをえないようなことになっていました。肺がんの治療は、いまでも困難なもののひとつです。

 そんな中、痰の検査で早期に肺がんを発見することができ、手術で治すことができた患者さんがいました。でも、手術したばかりは、それまで吸っていたタバコをやめていましたが、しばらくして、また吸い始めていました。

 それが、肺がんを再発させることになりました。二度目の肺がんは手術が難しいので、放射線治療を行いました。しかし、残念ながら完全に治すことができませんでした。

 血痰が出始まっていたのです。それで、私はその患者さんに、もう一度放射線治療をするように勧めるつもりでいました。

 そんな時、日曜日の午前中に、その患者さんの家から私の自宅に電話がかかってきたのです。「すぐに往診して欲しい」というのです。

 大学病院では往診はしません。そういう場合は、救急車を呼んで、救急指定病院で治療を受けることになっています。

 そのことを話しましたが、「どうしてもすぐに来て欲しい」と言います。隣町だったので、すぐに行くことができると思い、承諾しました。途中で待ち合わせをしてすぐに着くことができました。

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  • サルビアの会(10月家族会)に参加

    Excerpt: 昨日(10月3日)は 古河市のがん患者会(家族会)に参加してきました。 Weblog: 開業保健師  みんなの“自分らしさ”を大切に racked: 2015-10-05 06:55