サルビアの会11月家族会(その3)

 このあと、若者には付いていけない話、車の運転の話と盛り上がりました。もうそろそろ時間というころ、サルビアの会の名前の提案者である胃がんを克服したUDさんが突然、花を束にして抱えて入って来ました。

 UDさんが言います。

「突然、すみません。私はこのあと用事があるので、このまま帰りますが、畑で育てた菊の花を持って来ました。よろしければ持ち帰ってください」

 白菊、黄色の菊、赤い菊、花のかたちも大きさもさまざまです。それを見てKNさんが言いました。

「ちょうどいいわね。この菊の花をいただいて、主人の墓参りをすることにしましょう。UDさんが持って来てくれた花よって言えば、大丈夫でしょう」

 そうなんです。UDさんは、KNさんのご主人から元気をもらったと、今でも感謝を忘れない人なんです。KNさんのご主人は、大腸がんが再発し、合計三度もの手術を受けました。

 そして、抗がん剤治療を通院で続けていました。それなのに、いつも言っていました。『がんなんかに負けるな!死ぬかもしれないなんて思うから、死んじゃうんだ。死ぬ時には、こっちから行ってやるくらいの気持ちでいないとダメ!』

 がんを抱えながら、そうして前向きに元気でいるKNさんのご主人を見て、そして元気づけられる話を聞いて、UDさんは胃がんの手術を受けたあと抗がん剤を飲みながら、いつも落ち込みがちになっている自分を見つめ直すことができたんです。

 落ち込むのはやめよう。いつも前向きに行こうという気持ちになることができたんです。そして、その後UDさんは抗がん剤も終了し、手術後7年が経った今、元気になっています。

 そのUDさんがつくった菊の花を持って墓参りに行くとすれば、KNさんのご主人は間違いなくよろこぶはずです。

 KNさんは最後に言いました。

「今、主人には悪いけど、私は本当に自由で楽しいんです。一人きりの生活に満足しています。だから、10年目の命日を度忘れしたのかもしれません」

「でも、逆に、主人から思い知らされたのかもしれません。もう忘れるようなことをするなよって。UDさんが花を持って来てくれたのも、なんかの因縁のような気がします。これから、このお花をいただいて、お墓参りに行きます」

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  • サルビアの会(11月家族会)に参加

    Excerpt: 11月7日(土)は、茨城県古河市のがん患者会に参加してきました。 Weblog: 開業保健師  みんなの“自分らしさ”を大切に racked: 2015-11-17 22:26