サルビアの会8月家族の会(その1)

 最初に肝転移のある大腸がん治療後のOMさんがご主人と一緒に入ってきて、真剣な顔つきで私に話しかけてきました。

「私、肝臓にまた転移が見つかってしまったんです。なので、これからPETをやることになりました」

「それでほかに転移がなければ、肝臓の手術をして、その後に抗がん剤をやろうということになったんです

「でも、もしほかに転移が見つかった時には、最初に抗がん剤をやってその後に手術を考えようってことになりました」

 私が答えました。

「転移の考え方は単純です。今ある転移がおおもとのがんからの転移なのか、それとも全く新しい転移なのかと考えます」

「そうするとOMさんの場合は、すでに手術でおおもとのがんは取っているわけですから転移の源はなくなっています」

「なので、今転移がはっきりしてくるのは、手術前にできた転移の種が大きくなってきたものということになります」

「ですから、ほかに転移があるかないかが大事なことです。ほかになければ、今回はっきりしてきた肝臓の転移は、最初に手術して取った転移の兄弟分です」

「ですから、これが最後の転移巣ということになる可能性があると思います」

「そうならば、転移を取る手術だけで治療は終わりにすることができる可能性があります。抗がん剤をやらないで済む可能性があると思います」

 OMさんは真剣です。

「抗がん剤治療はやりたくないです。副作用で今でも手足がピリピリしびれています」

「ここに抗がん剤を追加することになると、これがひどくなって歩けなくなっちゃうんじゃないかって心配してるんです」

 私が答えます。

「抗がん剤治療で運動神経が壊れることはないですよ。ですから、歩けなくなることはありません」

「ただ、シビレや痛みがひどくなることはあると思います」

 OMさんが言います。

「そうですか。それなら我慢できます。とにかく、ほかに転移が見つからなければいいです」

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