サルビアの会10月家族会(その1)

 市民フォーラム後最初のサルビアの会です。

 最初に大腸がん治療中のOMさんとご主人が入ってきました。ご主人が言います。

「転移した肝臓の手術をする予定でしたが、肺にも小さなものですが1個転移がみつかってしまったんです」

「これをどうするかで、主治医と肝臓の担当医で意見がまったく違ってしまいました」

「主治医は肺を先に手術して、つぎに肝臓を手術した後に抗がん剤治療をすると言いました」

「ところが、肝臓の先生は抗がん剤を先にするのがいいと言うんです。どうしたらいいか分からなくなってしまったんです」

 このことで、すでにOMさん自身が私の外来に相談に来ていました。その時に私は言いました。

「肺の手術は簡単です。とくに小さな転移巣であれば、胸腔鏡手術ができますから、小さなキズですみます」

「そうするとキズの治りも早いので、すぐにつぎの肝臓の手術ができます」

「なによりも肺の手術は消化器をキズつけないので、麻酔から覚めればすぐに食事ができます。それでなおさら回復が早いんです」

「ほかに転移は見つかっていないですから、その後すぐに肝臓の手術をやってもらって、その後に抗がん剤治療をしてもらうのがいいと思います」

「主治医の先生の考えに賛成です」

 それを聞いたOMさんは、そうすると決めていました。

 でも、ご主人は心配です。

「肺の転移は肝臓の転移から起こったと考えると、肝臓の転移をそのままにしておくのが不安なんです」

 私が答えました。

「それはそうでしょう。でも、なんといっても肺の手術は簡単です。だから、それを優先するのがいいと思います」

「たしかに転移の種は、今、肝臓の転移巣から全身に広がり続けているかもしれません」

「でも、転移巣はできていません。つまり、がん細胞が血液の流れに乗って動き回っているだけと考えていいと思います」

「そういう状態のがん細胞には抗がん剤が効きやすいんです」

「だから、転移の元を根絶やしにして、その後に抗がん剤治療をやればいいと思うんです」

 これを聞いて、ご主人を腎臓がんで亡くし、そのことをフォーラムで発表したSSさんが言いました。

「私も右肺を3分の1切り取ったのよ。23歳の時でした。でも、今はこんなに元気。なにも心配ないと思うわ」

 不安げながら、OMさんのご主人も納得しました。

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