サルビアの会11月患者会(その2)

 卵巣がん治療中のKHさんが言います。

「予定した3回目の抗がん剤点滴が終わりました」

「今、血小板は10万あるんですが、好中球が400まで減っています」

「なので、来週予定の4回目の点滴ができるかどうか心配なところなんです。延期になりそうですね」

 KHさん、仕方ないですね。あせらずに行きましょう。

 妹さんが4期の悪性リンパ腫で治療中のOZさんが言います。

「なんとか骨髄移植がうまく行ったようで、妹は退院できました」

「でも、血小板は17000しかなくて、赤血球も200万です」

「まだ病巣は残っていて、先生は『ドナーの血液に頑張ってもらうしかない』って言うだけです」

 骨髄移植は、白血病などで行われることが多い治療法です。

 自分の骨髄を使う場合もありますし、他人の骨髄を使う場合もあります。

 骨髄を提供する人をドナーと言います。

 OZさんの妹さんは血液型の違う人から骨髄をもらいました。

 その場合はGVHDという拒絶反応が起こります。

 それを抑えるために強力な抗がん剤治療を行ったり、免疫抑制剤を使ったりします。

 それによって拒絶反応が抑えられれば、移植が成功したことになります。

 そうすると骨髄の中に別の人の骨髄が育ち、そこからできてきた新しい白血球が病気の細胞をやっつけてくれるんです。

 それが、先生の言うドナーの血液に頑張ってもらうしかないということです。

 ドナーの新しい白血球にリンパ腫の細胞をやっつけてもらうということなんです。

 KHさんが続けます。

「妹はGVHDがまだ完全にはよくなっていません」

「下痢はなんとかおさまりましたが、軟便が続いているんです」

「それに皮膚の赤みが取れていません」

「なので、まだ無理なことはできない状態ですが、退院して家に戻ってから家のことをなんでもやっているんです」

「家には男手しかないので、家に帰ると妹にとっては、やることばかりなんです」

「掃除、洗濯、食事作りすべてです」

「夫は退院してきた妹にいろいろやってあげたいらしく、よく車に乗せてあちこち連れて出るようです」

「でも、とくに遠出することになると、妹は体重が減って体力がなくなってますから、長い時間座っているだけで疲れてしまいます」

「連れ出してもらうのはうれしいけど、体がもたないっていう感じです」

「つまり、家族みんなが、妹の体の状態を理解していないんです」

「退院してきたから、もう大丈夫だという気持ちです。病気になる前と同じことができると思っているわけです」

 GVHDという拒否反応は、皮膚と粘膜に症状がよくでます。皮膚炎と下痢が多いんです。

 OZさんの妹さんも下痢が止まらず、退院がなかなかできなかったのです。

 下痢が続くと食べられませんから、体重が減って体力が落ちてしまいます。

 OZさんの妹さんの状態は、まさにそういう状態です。

 ですので、家族の人たちは、そのことを理解しないといけません。

 そして、無理をしないように家族がサポートしてあげないと、妹さんは倒れてしまいます。

 つまり、また入院しないといけないような状態になってしまいます。

 私がOZさんに言いました。

「妹さんの体の状態を、ご主人を含め家族全員によく理解してもらわないといけませんよ」

「無理のできない状態だということを理解してもらうんです」

「そして、妹さんが体を休められるように手伝ってあげるようにしないといけませんよ」

 OZさんが首を大きく振って言います。

「そうですよね。よく分かりました。よく言い聞かせます」

 たしかに男手ばかりの家では、女性がいなくなると大変ですよね。

 その女性が家に戻れば、なんでもやってもらいたくなるのは分かります。

 でも、OZさんの妹さんはまだ正常な状態ではありません。

 まだ、残念ながら病人です。普通の体ではないんです。

 それを、妹さん自身もよく考えておかないといけません。

 家中が汚くなっていると、それを片づけたくなる女性の気持ちもよくわかりますが・・・。

(つづく)

この記事へのコメント