家族の絆(TNさんの場合)~食道がん治療の開始

 TNさんを診察室に招き入れた大学病院の担当医はいった。

「TNさん、食道がんには抗がん剤の効くことが多いんです。ですから、最初に抗がん剤を使ってみて、効果を確認すればいいと思います」

「効果があれば、がんも小さくなるわけですから、その後にまた改めて治療法を考えればいいと思います。手術だけでなく、放射線治療という手もありますから・・・」

 はっきり治療方針を告げられたTNさんは、すっきりした気分になった。

「分かりました、先生。では、抗がん剤の治療をお願いします」

 食道がんに対しては、腎臓への副作用と吐き気が強いプラチナ製剤と総称される抗がん剤と他の抗がん剤を組み合わせた治療が使われる。

 プラチナ製剤を使った治療では、腎臓への副作用が心配されることと吐き気の出ることが多いので、プラチナ製剤を入れる前から吐き気止めを入れた多めの点滴が行われる。この点滴治療を月に1回くりかえす。

 吐き気止めが入ってはいるが、けっこう強い吐き気の起こることが多い。しかしTNさんにとっては、その吐き気も耐えられないほどのものではなかった。

 TNさんは、この点滴治療を3回くりかえした後、効果を診るためのCT検査を受けることになった。

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