サルビアの会2月家族会(その1)

 子宮がん再発を乗り越えたMYさんが言います。

「白内障の手術を受けたんですが、左の目が痛むんです」

「それで診察を受けたんですが、その目がむくんでいるといわれました。それで痛いんだそうです」

「来週、その目に注射をすることになりました。私は痛みの来ることがこわいんだとしみじみ思いました」

「痛みにはずっと悩まされてきましたからね」

「また、新しい経験をすることにします。それで、同じようなことになった人に話ができます」

 いつも前向きなMYさんです。

 去年奥さんを原発不明のがんで亡くしたAGさんが言います。

「最期間近の時、4人の看護師が看ている状態なのに、転院してくれと言われた」

「あるいは退院してくれと。そうでなければ、個室に入る手もあると」

「結局、そのままになったんですが、最期はこんなに簡単に逝ってしまうのかと思うほど簡単に逝ってしまいました」

「だんだん呼吸の間が長くなって、最後にそのまま止まりました」

 AGさんが続けます。

「最期の入院は9月でした。11月には本人が今度の入院が最後かもしれないって言ってました」

「3月に亡くなったんですが、やはり本人は分かるんでしょうね」

「本人の口からそんなことを聞いたのは初めてでした」

 それを聞いておととし前立腺がんでご主人を亡くしたKTさんが言います。

「夫は緩和ケア病棟に移った時に、これでオレもダメかなって言ってました」

「分かってたんだと思います。そのまま緩和ケア病棟で亡くなりました」

「家に帰りたいって言ってましたから、私がその夫の望みを奪ったんだと思います」

 涙ぐんでそう言ったKTさんを見て、すかさず保健師のKHさんが言います。

「そんなことはないと思いますよ。KTさんはずっとご主人のことを考えて介護していました」

「勝手に奪ったなんてことは絶対にないですよ」

 これは大事なことです。私が話しました。

「今、国が人生会議と名付けた最期の見守りとケアの取り組み方の方法が大事なことだと思います」

「アドバンス ケア プランニングと言われる方法なんです」

「これを分かりやすい日本語にしようということで人生会議という言葉が選ばれました」

「まだしっくりと来ませんが、そのうちになんとかなってくるんでしょう」

「その基本は、人生最期のあり方を本人に選んでもらうようにすることなんです」

「ですから、本人に病気の本当の状態を知ってもらう必要があります。それが前提です」

「その考えからすると、KTさんのご主人は本当の選択はできていなかったと思います」

「自分の最期の本当のことを知らされていなかったわけですからね」

「ただ、最期の時には介護する人の状態も重要です」

「人生会議では本人の意向を中心にしながら、周囲の人たちのあり方もいっしょに考えるべきと思います」

 人生会議です。国は、これを今後広めて行こうとしています。本人が選ぶ最期のあり方を考える場所です。

(つづく)

"サルビアの会2月家族会(その1)" へのコメントを書く

お名前
メールアドレス
ホームページアドレス
コメント