サルビアの会12月家族会(その4)

 ご主人を大腸がんで亡くして17年になるKNさんが言います。

「最近もの忘れが増えて、認知症をますます自分の事と考えるようになりました」

「しっかりしていた友達が認知症になってしまったんです」

「ご主人が亡くなって顕在化したっていうことです」

「ご主人がなにもかもをやっていたので、認知症のことはおもてに出なかったようです」

「でも、突然ご主人が亡くなったもんだから、なにもできないことが分かったわけですよね」

「それで認知症があかるみに出たということです」

「こうなると、次は自分かと思っちゃいますよね?」

 卵巣がん治療後のYDさんが言います。

「そうですよね。私もそう思います」

「だから、私は自分のものを処分し始めていますよ」

「子どもたちに迷惑をかけたくないですからね」

 KNさんが言います。

「うちでは、子どもたちが自分のものを整理しろと私に言うんです」

「でも、私のものは私の歴史ですよね」

「相手が自分の子どもだろうが、どうこう言われる筋合いはありません」

「私の好きにさせてって言いたくなりますよ」

「私が生きている限りは、私が好きにやります」

「私が死んだら好きに処分すればいい」

「そこに私はいませんから、どうぞご自由にって感じです」

KNさんが続けます。

「この歳になって、初めて分かることばかりです」

「若い時には分からなかった」

「今、この歳になってまさに年寄りの気持ちになっているわけですよね」

「若い時にはこういう年寄りの気持ちはまったく理解できていなかった」

「今ごろになって、あの時年老いたお母さんにああしてあげればよかったなんてしみじみ思うんですよ」

 歳を重ねて初めて分かること。そうでしょうね。何事も実感しないと分かりません。

 だから、がん患者の気持ちもがんになってみないと本当には分からないんです。

(12月家族会終わり)

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